In Times

黒い・暗いメタルを主に。

Watain - Lawless Darkness

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スウェーデンブラックメタルの4thアルバム。10曲73分。

 

初期はDissectionに影響を受けたであろうと思われるメロディックかつプリミティブなブラックで、前作にあたる3rdアルバムではそれらに呪術的なおどろおどろしさとロックンロールとすら感じられるリズムを導入し一躍ビッグに。

そして今作では前作からまたさらに発展、根本のメロディック+プリミティブはそのままに、より原初のブラックメタル、VenomやBathoryのようなスラッシュ要素をふんだんにミックスし突き抜けるような爽快感と躍動感を組み込んできた。

音質は少しシャリシャリとしているがブラックメタルとしては非常に良好、むしろ生々しく感じられプラス要素だ。

ふっと切り込んでくるリードギター、トレモロリフは寒々しくまた恐怖感を煽りまるでノルウェーブラックメタルを聞いているかのような錯覚にすら陥る。

また時折ギターソロも聞くことができ、こちらの魂を揺さぶるブラックメタルらしからぬ熱さでガッツポーズ必至。

基本は疾走のドラムだが、ブラストビートに頼りすぎることもなくスラッシュメタルのようなツタツタとした前屈みの疾走。テンポチェンジも巧く聞いていてまったく飽きない。

ヴォーカルも相変わらず邪悪な咆哮を上げている。喉を痛めつけそうなこの濁声ともデスヴォイスとも取れない、ちょうど良い塩梅の声は曲のダークな印象と非常にマッチしている。

 

4thアルバムということで、これまでのスタイルを昇華し見事に進化を遂げている。

ブラックメタルの邪悪なイメージをそのまま音にしたかのようなスタイルでとても好印象。

とくにラストトラック'Waters Of Ain'は珠玉の出来。

曲そのものも14分という長さながらまったくダレることのない展開。

そして後半に控える流麗なギターソロは圧巻の一言。ブラックメタルではありえない、ハードロック、ヘヴィメタルのような美しさを持つ。

これまでの邪悪な曲群もこのギターソロで全て浄化される、いやむしろそのためにこの曲があるのではないかとすら思えるほど。

 

間違いなくバンド最高傑作のアルバム。そして近年のブラックメタルでも大傑作のアルバム。