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In Times

黒い・暗いメタルを主に。

Weakling - Dead As Dreams

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アメリカ産ブラックメタルの1stアルバム。5曲76分。

 

たかだか5曲で76分、最短10分最長20分と恐ろしく長尺の曲揃い。

ノイジーな音質で基本として奏でられるリフは非常に陰鬱でとても重い。

が、随所でバシバシとフックの利いたメランコリックなメロディを挿入しており、陰鬱さとの対比による多大なるカタルシスを生み出している。

基本は疾走しつつも忙しなくテンポチェンジを繰り返すドラムは音質も手伝ってか、暴力的で破壊的なまでの嵐の渦になり全てを飲み込むような。

多少のアヴァンギャルドさもありその曲の長さも相まってか聞き通すのにエネルギーは要るが、決して退屈だとは微塵も思わせない。

ドラマティックかつプログレッシヴ、まさにDead As Dreamsというタイトルが如く儚く哀愁がある。

 

どうしようもないぐらいに負の感情が込められておりそのメランコリックさには涙腺がガンガンに刺激されること間違いない。

 

名盤。それ以上に言うことはない。

October Falls - The Plague of a Coming Age

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フィンランドブラックメタルの4thアルバム。9曲50分。

 

まさにバンド名のごとく秋を、そして冬の到来を感じさせる慟哭のフォーク/ブラック。

これまでの作品はアルバムに入っている曲間がつながっており、まるで1曲、しかも超大作のような感覚だったが今作はそれぞれの曲が独立しているようだ。

 

とはいっても作風に大きな変化はなく、これまで通り泣きに泣きまくるリードギターと曲中に挿入される寂しげなアコギがメイン。

ドラムもそれらを活かすため走りすぎることはなく、気持ちアグレッシヴになる程度で基本はミドル~スローテンポ。

遠くから聞こえるような掠れたヴォーカルもやはり枯れ葉のように脆く儚い感じを演出していてとても良い。

また、今作ではこれまでになかったクリーンヴォーカル(それもかなりアンニュイな)も取り入れられており、よりメランコリックにかつ甘くなっている。

 

上述の通り秋~冬の情景を思い浮かべることが出来るような、厭世的でかつ叙情的。

毎回毎回、アルバムを出すたびに絶望的なまでにバンド名とマッチしていることを思い知らされる。

 

浸れる、という言葉ぴったりの音楽性。

やはり秋に聞くのはOctober Fallsなのだ。

このダークでデプレッシヴながらも、ひどく感傷的になれるのは唯一無二。

Woods Of Desolation - Torn Beyond Reason

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オーストラリア産ブラックメタルの2ndアルバム。6曲37分。AustereのSorrowがヴォーカルとして参加。

 

メランコリックに哀愁ダダ漏れまくりのトレモロを中心に、疾走多めに展開する泣きのデプレッシヴブラックメタルとなっている。

どこからどこを切り取っても昇天必至に泣きに泣きまくるトレモロリフ。なにが悲しくてこんな哀愁を振りまけるのか。

そしてドラムもドカドカと激しくブラストをかまし、泣きのトレモロ+ブラストは黄金パターンだと言わんばかりのデプレッシヴ感。涙腺が足りない。

疾走時だけでなく、もちろんミドル・スローテンポ時にもその哀愁は止まらない。

そこに華を添えるかのようなkey、小休止に挟まれるアコギ。

そして咽び泣くような叫び声を上げ続けるヴォーカル。

 

ああもうこれぞ確かにデプレッシヴだ。

天に召され浄化されてしまいそうな救いにも似た、また夜空に慟哭をあげるがごとくの哀愁。

これで泣くなという方が無理である。無理なのだ。

 

Alcestの打ち立てたシューゲイザー+ブラックメタルのベクトルを激情方向に振り切ったらこうなりましたと言わんばかりのこの嘆き。

まさに極上。破滅の美。

 

これを聞かずしてポストブラックを語るなかれ。と言っても過言ではない珠玉の出来。

Black Wreath - A Pyre of Lost Dreams

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デンマーク産デス/ドゥームメタルの1stアルバム。4曲50分。

 

ジャケットの示す通り、モノクロの情景を描いている。

神秘的で浄化されるトレモロ、重苦しくも伸びやかで幽玄なリフ、木の葉から滴る雫のように透き通ったピアノ、鈍重ながらもしっかりと歩みを続けるドラム。

アトモスフェリックブラックの荘厳さやフューネラルドゥームの重苦しさもあり、上手いこと昇華させているように感じる。

 

とても美しくそしてどうしようもなく絶望的。

霞がかかったようなぼやけた音質も相まって、より一層、ナニカに溶け込んでいってしまうような、独特なトリップ感を味わえる。

 

ラストトラックである4曲目はダークアンビエント+雨音が7分間続くもので、実質は3曲43分。

それでもかなりのボリュームであることに変わりはなく、とてもとてもメランコリックで浸れる1枚となっている。

雨の降りしきる夜長に是非とも聞いてほしい。

ColdWorld - Autumn

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ドイツ産ブラックメタルの2ndアルバム。8曲52分。

 

Autumn(秋)というタイトルでありながら6月リリースだったり、前作Melancholie2から8年ぶりだったりと何かと話題であった今作。

前作は雪原に人が一人佇んでいるという孤独感溢れるジャケットの通り寒々しくデプレッシヴな内容であったが、今作は幾分か(音質含め)マイルドになりそしてやはりタイトル通り郷愁を感じるようなメロディックな作風になっている。

 

バッキングは寒々しいが前に出てくるトレモロリフやヴァイオリンなどはひどく悲しげでまた感傷的。

前作より疾走展開も増えアグレッシヴになりつつも、緩急をしっかりつけ曲に幅をもたせるドラム。

相変わらず遠くから聞こえるような絶叫ヴォーカルとアンニュイなクリーンヴォーカル、そしてなんと2曲目のみだが女性コーラスまで飛び出す始末。

2曲あるインストゥルメンタルも孤独かつ寂寥感満載。 

 

秋から冬への移り変わり、感傷的かつ物憂げな心情・情景を明確に描いている。

昨今、ポストブラック勢がぽんぽん出てくる中でもやはり頭一つ抜き出ているメロディの殺傷力たるや筆舌に尽くしがたい。

 

思い入れというどうしても抗えない補正があるためか個人的には前作に軍配が上がってしまうが、今作も抜群に素晴らしい名盤。

是非とも手に入れて聞いて、そして悶絶してほしい。

Saturnus - Saturn In Ascension

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デンマーク産デス/ドゥームメタルの4thアルバム。ボーナストラック含め全9曲74分。

 

前作Veronika Decides to Dieから6年経っているが、前作も今作もこのジャンルの特性と同じ路線。

もの悲しく陰鬱なリードギター・ギターソロが楽曲を引っ張り、そこにのそのそとスローテンポでついていくドラム、重苦しいギターリフ。

ヴォーカルはおちょぼ口になりそうな低音のデスヴォイス。妙に歯切れよく発音するもんだからこちらにはあまり重苦しさは感じず、楽曲に華を添えるような印象。

また、楽曲全体にキーボードやピアノも被さっているせいか、より一層悲壮感がUPしている。やめてくれ、もう涙腺が枯れそうだ。

 

これからの時期、特に秋~冬にかけての夜長にお酒を飲みのんびり空を見上げつつ、といったシチュエーションにぴったりな音楽。

ゆったり、ゆったりと、そして寂しさを感じさせつつ同時に味わい深い郷愁も感じる。

 

前作から6年という歳月は彼らのスタイルを何一つ変えず、良い意味でも悪い意味でも変化のない横ばいな音楽性。逆をいえば安心感があるということではあるが。

だいたい6年ペースでフルアルバムを出しているので次は2018年あたりだろうか。

このジャンルの特性同様、気長に待つとしよう。

 

Dark Funeral - Where Shadows Forever Reign

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スウェーデンブラックメタルの6thアルバム。9曲45分。

 

前作Angelus Exuro pro Eternusから実に7年ぶりのフルアルバム。

3、4、5枚目と地獄の業火を思わせる赤を基調としたジャケットだったが、今作は初期を思わせる青色基調のジャケットに。

 

作風は今まで通り、寒々しく吹雪を思わせるリフにドカドカ爆走するといったスタイル。

しかし音質含め今までよりも幾分聞きやすくマイルドになったように思う。

決して軟化したという意味ではなく、爆走一辺倒ではなくミドルテンポのメロディ重視の曲やスローテンポも織り交ぜより一層邪悪な演出や次の爆走へのカタルシスを高めたりと、彼らなりの変化が見える。

今までそういった曲もあったことはあったが、このアルバムではググっとその比率が増え決して速さだけで勝負しているということではないということが窺える。

 

新たなヴォーカルHeljarmadrもブラックメタルとしては非常に王道の邪悪なスクリームを吐き出し、メインソングライターを努めるギタリストLord Ahrimanの放つ冷気に鋭さをプラスしておりとても好印象。

Dominatorのドラミングも相変わらず激烈かつスピーディだ。ブラスト疾走時は有無を言わさぬ破壊力、ミドル・スローテンポでも手足ともに忙しなく動いており、やはり安心感がある。

 

フルアルバム自体は6枚目だがバンドとして20年以上のキャリアを誇るベテランならではの安定感と新たな進化と変化。

ブラックメタルの持つサタニックなイメージを如実に表現し今もそのスタイルを崩すことなく続けるストイックさ。

やはりDark Fueralというブランドは衰えを知らない。

今まで通り、そしてこれからも追い続けていく。