In Times

黒い・暗いメタルを主に。

Odal - Geistes Unruh

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ドイツ産ブラックメタルの4thアルバム。6曲45分。

 

キタッッッッ!!!!!!!!!!!!ついにきた!!!!

我らがジャーマンブラックメタルの雄、Odalのフルアルバムがやっとでた!

前作3rdアルバムより実に8年(今作の半年ほど前にEPを出してはいるが)、実に長かった・・・。

 

前作である3rdアルバムは寒々しくも神秘的でメロディックかつ激烈、そして凄まじいほどのドラマティックさでただでさえ密度の濃いジャーマンブラックメタルをさらにググっと2段階ほど暑苦しくさせる素晴らしいアルバムだった。

それに対し、今作は(EPでもだが)初期のようなやや90年代の香りが漂うような芋臭さ、そしてジャーマンブラックメタル特有の湿っぽさと荒涼感を前面に推しだした作風になっている。

どことなく良くも悪くも危うさすら感じる曲展開、刻みリフ、儚げなトレモロリフとリードギター、そして靄がかかったような籠もった音質。

思わず「あれ、これ1stアルバムかな・・・」なんて思ってしまいがちだが、紛れもなく4枚目のアルバムだ。

1stアルバムの上位互換と捉えれば良いのだ、なんら問題はない。

 

前作の激烈さは控えめではあるが、これでもかとジャーマンブラックの持つ神秘的でメロディックな面を惜しげも無く放つ傑作。

Odalが好きならもちろん、古き良きメロウでプリミティヴなブラックメタルが好きなら尚のこと買って損はしない。

Profetus - ...To Open The Passages In Dusk

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フィンランド産フューネラルドゥームメタルの2ndアルバム。4曲58分。

トン・・・トン・・・とゆっくりと歩むドラム、ソリッドかつ重苦しさを感じさせないギター。

そこにどっさりと被さる儀式的な美しさを醸し出すキーボード(オルガン?)と、吐息すら聞こえそうな呻くグロウル。

ラストトラックだけではあるが、エモーショナルで伸びやかなクリーンボーカルも聞ける。

Skepticismのようなシンフォニックさのあるフューネラルドゥームだが、彼らほど重苦しく進むわけではなく、流れるように1音1音を確実に刻む。

目を瞑ればまるで自分が川や海に一人佇み、雄大な水の音にひそと耳を傾けているかのような錯覚に陥る。

浸る、という言葉がぴったり当てはまる。

教会のような荘厳さと自身が溶けてしまいそうな感覚を同時に味わえる。

 

とてもとてもカッコいい、フューネラルドゥーム。

非常にオススメ。

人間椅子 - 黄金の夜明け

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日本産ハードロック/プログレッシヴ/ドゥームメタルの3rdアルバム。11曲67分。

 

70年代ハードロックを彷彿とさせる憂いを帯びながらも軽快に疾走する曲。

かと思えば、ドゥームメタルのようにズッシリとひきずり重く進みまた堰を切ったように怒濤の疾走展開になる曲。

さらに曲の随所にプログレッシヴロック・メタルからの影響が垣間見られる難解かつ複雑な曲展開やアルペジオ・コード進行。

彼らが凡そ影響を受けたであろう音楽の全てを巧く昇華しかつ散漫とせず後味スッキリに纏めている。

また独特のトリップ・酩酊感を誘うサイケデリックなギターソロ、ぶりぶりと主張しかつメロディックなベース、テンポチェンジを繰り返しつつもそれぞれ独立したギターとベースをしっかりと纏め上げるドラム。

歌詞の内容も壮絶かつ痛烈だ。

文学的であったりユーモアであったりと、読めば読むほど聞けば聞くほど深くサウンドと共に溶け込んでいく。

 

何もかも、全てが、高次元。

1曲目の黄金の夜明けで華やかにスタートしラストトラック11曲目の狂気山脈で死に至る。

買っていない、持っていないのならば買うべし。

Old Wainds - Where The Snows Are Never Gone...

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ロシア産ブラックメタルのデモ音源。8曲37分。

 

ザラザラジャリジャリと輪郭の掴めないしかし寒々しくどこまでもドス黒いリフを引っさげ荒々しく爆走しまくるプリミティブブラックだ。

 

Darkthrone(特に2ndアルバム)やMayhemのような殺伐かつカミソリのような切れ味を持つリフ。

そしてBeheritやImpaled Nazareneのような爆発力。

これらを併せ持っているバンドが良くないわけがない。

加えてEvilなヴォーカルも凄まじい邪気を放っている。Darkthroneのように噛みつくようでありImmortalのようなドスの効いたねちっこさもある。

 

前情報も無く聞けばノルウェーフィンランドと答えてしまうほどとてつもない瘴気を放つ楽曲群は、このバンドの本気度がビシバシ伝わってくる。

ブラックメタルこうあるべし!と言わんばかりのドストレートな作品。

 

Vargsheim - Träume der Schlaflosen

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ドイツ産ブラックメタルの3rdアルバム。9曲45分。

 

いつだったか、前作2ndアルバムも紹介したが路線は2ndアルバムと同じ。

ドイツ産らしく湿った哀愁漂うリフを主軸にブラックメタルらしく寒々しく疾走するパートと、ロックンロールのノリの良さ・ドライヴ感を取り入れたノリノリパートの切り替えが気持ちいい。

神秘的なスローテンポな曲もあるが、前後に配置された疾走感のある曲を引き立たせる役割を持っている気がする。

 

なにより「ウゥッ」という掛け声とともにロックンロールな縦ノリになるパートがとても気持ちよく、わかる人には恐らくわかるのだろうが、「ウゥッ」を用いるバンドは良いバンドなのだ。

 

The CrownのアルバムDeathrace KingをDeath'n' Rollと形容するとかしないとからしいが、言うなればこのVargsheimもBlack'n' Rollと言ったところだろうか。

ジャーマンブラックの哀愁漂う疾走とロックのドライヴ感の融合。

単純に分かりやすく、カッコいい。

 

個人的にドイツ産でもMembarisやKaltetodに次いで特に好きなバンドだ。

 

The Slow Death - Ark

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オーストラリア産フューネラルドゥームメタルの3rdアルバム。

 

バンド名の通り、死がゆっくりゆっくり近づいてくる絶望のサウンド。

いやこのジャンルがすでにとてもスローなジャンルなので今更だが・・・。

 

それはさておき非常にエモーショナルでエピック、かつどうしようもないぐらいクライマックス感が漂っている。

ジャンル特有のゆっくりと死に向かう文字通りフューネラルな特性を活かし、場をほぼ常に支配するホワーンとしたスペーシーかつアトモスフェリックな独特なキーボード、いやもう十分だから!十分だから!それイントロか曲の終盤で出すメロディでしょ!とと言ってしまう過剰なまでの怒濤のメロディックで雄大なリードギター。

そして大胆にフィーチュアした女性ヴォーカル。

あ、もう死ぬ。これもう死ぬ。

 

過去作はもうどうしようもなく絶望してただただずるずる引き摺り死に絶えるようで聞く側としても体力がいるものであったが、今作は常にメロディックなためか胸焼けに気をつけねばならない。

なにより常に攻めて攻めまくる姿勢が感じられ、とても好印象。

Mournful Congregationをシンフォニックにしたような、とでも言えば良いのだろうか。

 

流通が心なしか悪い気がするがとてもおすすめ出来るアルバム。

 

尚、グロウル担当のGregg Williamsonという男性がいたみたいだが、今作を最期に亡くなってしまったようだ。

氏の絶望を感じさせるグロウルに想いをはせ、さらにエモーショナルになるのも良いだろう。

 

Paysage d'Hiver - Paysage d'HIver

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スイス産ブラックメタルのデモ。3曲54分。

 

吹雪もしくは雪崩のような怒濤の冷気を放つ轟音ノイズギターに塗れているところに、オーロラをのような幽玄で美しいキーボードやヴァイオリンがふっと切り込んでくる。

奥の方でバコバコと荒々しくなる打ち込みドラムやさらにその奥で小さいながらも悲鳴のような絶叫をあげるヴォーカルもあってか、雪山で遭難そして凍死するイメージしか思い浮かばない。

 

一切合切を掻き消し飲み込む雪崩とそれが静まった頃に見えるオーロラ、ああなんとも幻想的だ。ただし凍死する。

 

paysage d'hiver=冬景色という意味らしいが、確かにそれを想起させるサウンドではあるものの美麗なだけでなく圧倒的な自然の暴力もあり見事。

恐らく彼らの作品の中ではかなり音質が良い方だとは思うが、それでも一般的な価値観からすれば非常に音質が悪いのではなかろうか。

1曲17分超とボリュームもあるので少々取っつき辛さはあるかもしれないが、1度この幻想的な世界へ足を踏み入れれば2度と戻ることはできない魔力を秘めている。